April 09 2011
白樺に吊すぶらんこ濡れやすく
田丸千種
子供達が風の中思いきりぶらんこを漕ぐ、という図はいかにも春。ぶらんこは、中国の行事が元になって春に分類されているというが、そこには春風が心地よく吹いている。しかしこの句のぶらんこは、静かに白樺林の中にある。木で作られ少し傾いたぶらんこ、夏の間だけ誰かを楽しませるために、そこで一年の大半をぼんやりぶらさがって過ごしている、そんな避暑地の別荘の風景のようにも思える。濡れやすく、という少し主観の入った言葉によってぶらんこが、なんとなく親しく優しい存在になってくる。俳句同人誌「YUKI」(2011年春号)所載。(今井肖子)
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