March 05 2011
鶯もちいろを抓みていただきぬ
八田木枯
鶯餅、うぐいす餅、うぐいすもち、鶯もち。それぞれ印象がずいぶん違う。餅、より、もち、の方がしっとりとした質感があり、うぐひす、より、鶯、の方が即座にその色と形が見える。色、は、いろ、とした方が、もちのなめらかさを損なわず、抓む、はその字にある「爪」によっていかにも、指でそっとつまむ、という感じがする。そして、食べる、ではなく、いただく。いただきぬ、とやわらかく終わることによって、ほんのりとした甘さが余韻となって残る。漢字か平仮名か、どの言葉を使うか、その選択によって目から受ける印象のみならず一句の余韻も変わる、ということをあらためて感じた。『俳壇』(2011年3月号)所載。(今井肖子)
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