February 22 2011
猫の子のおもちやにされてふにやあと鳴く
行方克巳
本日猫の日。つながる2をニャンと読むものなので、日本限定ではあるものの、堂々と猫の句の紹介をさせていただく(笑)。あらゆる動物の子どもは文句なく可愛いものだが、ことに子猫となると自然と相好が崩れてしまう。小さいものへ無条件に感じる「かわいさ」こそ、赤ん坊の生きる力であるといわれるが、たしかに言葉ではあらわすことができない力が作用しているように思われる。掲句では「にゃあ」ではなく、「ふにゃあ」というところに子猫のやわらかな身体も重なり、極めつけの可愛らしさがあますところなく発揮されている。とはいえ、句集に隣合う〈子猫すでに愛憎わかつ爪を立て〉で、罪ない声を出しながら、一方で好き嫌いをはっきりと見定めている子猫の姿も描かれる。子猫はおもちゃにされながら、飼い主として誰を選ぼうかと虎視眈々と狙っている。〈恋衣とは春燈にぬぎしもの〉〈春の水いまひとまたぎすれば旅〉『地球ひとつぶ』(2011)所収。(土肥あき子)
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