January 21 2011
手を容れて冷たくしたり春の空
永田耕衣
岸本尚毅さんの「手をつけて海のつめたき桜かな」と並べて鑑賞すると面白い。「したり」は能動。自分の手が空を冷たくするのだ。直感的に空よりも手の方が冷たいという比較を強調しているように思う。そして句の中には自分と春の空の二者が登場する。それに対して岸本さんの方は手と海と桜の三者が登場する。空間の奥行はこちらの方が構成的。耕衣作品は「春の空」を擬人化しているようにも見える。その分、文学臭が強いようでもある。『殺佛』(1978)所収。(今井 聖)
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