January 18 2011
梟やわが内股のあたたかし
遠藤由樹子
ヨーロッパでは森の賢者と呼ばれ、日本では死の象徴とされてきた梟は、動物園やペットとして飼われているものでさえ、どこか胸騒ぎを覚えさせる鳥である。集中前半に収められた〈梟よ梟よと呼び寝入りけり〉の不穏な眠りを象徴した梟が印象深かったこともあり、後半に置かれた掲句にも丸まって太ももの間に手をはさんで横になる姿勢を重ねた。左右の脚の間にできるわずかな空間のやわらかなぬくもりが、安らかな心地を引き寄せる。それは自分で自分を抱きしめているような慈しみに満ち、そして少しさみしげでもある。おそらく胎児の頃から親しんできたこのかたちに、ひとりであることが強調されるような様子を見て取るからだろう。寒さに耐えかねてというより、さみしくてさみしくてどうしようもないときに、人は自らをあたためるようなこの姿勢を取ってしまうのだと思う。血の通うわが身のあたたかさに安堵と落ち着きを取り戻したのちは、元気に起き上がる朝が待っている。『濾過』(2010)所収。(土肥あき子)
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