午後から俳誌「ににん」の10周年記念会。もう10年経ったのか。(哲




20110116句(前日までの二句を含む)

January 1612011

 夢に見れば死もなつかしや冬木風

                           富田木歩

木風はそのまま「ふゆきかぜ」と読みます。日本語らしい、よい言葉です。ところで、ここで懐かしがっているのは、だれの死なのだろうと思います。普通に考えれば親でしょうか。でも、私も亡くなった父親の夢を時折に見ることはありますが、たいていは若いころの、元気の良かった姿ばかりです。親父の死んだときの夢なんて、見たことはありません。それに、夢に見ているときというのは、つらいことは現実よりもさらにつらく感じるので、人の死の夢を見るなんて、想像するだけでも胸が苦しくなってきます。あんまりつらい夢を見ているときには、そのつらさに耐えられずに目が覚めてしまうことがあります。ああ夢でよかったと、布団の中で安堵したことがこれまで幾度もあります。でも、この句はそうではなく、もっと素直に、死んだ人たちに夢の中で会えて懐かしかったと、まっすぐに受け止めればよいのかもしれません。死も、一生という夢の中の、一部なのだから。『作句歳時記 冬』(1989・講談社)所載。(松下育男)




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