靴下の福袋を心底嬉しそうに買ってた女の子。良い笑顔だった。(哲




20110109句(前日までの二句を含む)

January 0912011

 餅間のピザの出前もよからずや

                           尾亀清四郎

語は餅間(もちあい)。歳時記によりますと、昔は年末だけではなくて小正月にも餅をついたようで、小正月前の餅がなくなった時期のことを言うようです。最近は年末でさえ餅をつく家がほとんどありません。まして小正月に餅をついているところなど、一度も見たことはありません。それでもこの句がちょっと分かるのは、正月のお雑煮やお節が続くと、もうご馳走にうんざりしてきて、いつものあたりまえな食事が懐かしくなってくるからなのです。トーストとコーヒーで済ませたいなと思ったり、お茶漬けやカレーライスが無性に食べたくなったりもしてくるのです。長年生きているから、そんなことはとうに分かっているわけですが、それでも正月近くになると、お雑煮を楽しみにする心が湧いてくるのは、悲しいかな、どうしても押しとどめることができません。『角川俳句大歳時記 新年』(2006・角川書店)所載。(松下育男)




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