December 30 2010
明日より新年山頭火はゐるか
宮本佳世乃
今年も余すところ一日となった。明日は朝から掃除、午後はおせち料理に頭を悩ませ、夜は近所の神社へ初詣に出かけることにしよう。平凡だけど毎年変わらぬやり方で年を迎えられるのを幸せに思う。それにしてもこの句「明日より新年」というフレーズに「山頭火はゐるか」と不思議な問いかけが続く。山頭火は放浪の人だからせわしない大晦日も、一人酒を飲んで過ごしていたかもしれない。だとすると家族と過ごす大晦日や正月に縁のない孤独な心が山頭火を探しているのだろうか。そんな寂しさと同時に「さて、どちらへ行かう風がふく」と常にここではない場所をさすらっていた山頭火のあてどない自由が「明日より新年」という不安を含んだ明るさに似つかわしく思える。『きざし』(2010)所収。(三宅やよい)
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