重陽、菊の節句です。文部省唱歌にこんなのがありましたね。(哲




20100909句(前日までの二句を含む)

September 0992010

 アンデスの塩ふつて焼く秋刀魚かな

                           小豆澤裕子

年の秋刀魚は不漁で例年より値が高い。10日ほど前駅前のスーパーで見た秋刀魚は一尾480円と信じられない値が付けられていた。この高騰にもかかわらず例年行われる目黒の秋刀魚祭りでは焼いた秋刀魚を無料で配ったというのだから、集まった人たちは「秋刀魚は目黒にかぎる」とその心意気に打たれたことだろう。それはさて置き、掲句にある「アンデスの塩」はボリビアから輸入されているうすいピンク色の岩塩だろう。ほんのりと甘く海塩とは違った味わいがある。銀色に光る秋刀魚にアンデス山脈から切り出されたピンク色の岩塩を振りかけて火にかける。思えば日々の食卓に上がるものはフィリッピンの海老だったり、ニュージーランドの南瓜であったり、アメリカの大豆であったり、世界各国から輸入されたものに彩られるわけで、ひとつひとつの出自を思いながら食せば胃の腑で出会うものたちがたどってきた道のりの遠さにくらくらしそうだ。『右目』(2010)所収。(三宅やよい)




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