工事でマンションが灰色シートで覆われた。ブルーだったら事件だな。(哲




20100709句(前日までの二句を含む)

July 0972010

 あぢさゐの毬の中なる隠れ毬

                           鷹羽狩行

ズムが明快で外の景の印象鮮明。機智があるけれど実感から入るために知的操作が浮き立たない。読み下して速度感がある。そしてどこか静謐な風景。抹香臭い神社仏閣などを源泉とするいわゆる俳句的情緒に依らない。内部の鬱を匂わせる戦後現代詩のモダンとは一線を画す。俳諧風流の可笑しみにも行かない。山口誓子が拓いて作者に受け継がれているこういう世界を今の流行には無い傾向として僕は見ている。あぢさゐの毬の中にある毬はあぢさゐの花の色と形から来る比喩として読めるが、同時にあぢさゐの咲いている茂みの中に置き忘れられた見えない毬を思っている内容にも思える。比喩としての毬と実際の毬が紫陽花の中で動いて重なる。『十六夜』(2010)所収。(今井 聖)




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