橋下知事、大阪ゆかりの本田・遠藤表彰も…。すぐ表彰したがる悪い癖。(哲




20100626句(前日までの二句を含む)

June 2662010

 四葩咲きよべの涙を忘れしむ

                           文挾夫佐恵

勤路の紫陽花、さみどりの蕾が日に日に色を見せていまちょうど雨に似合う青紫。四葩(よひら)を紫陽花の意味で使うのは、「特に俳句でいう。」(広辞苑)とのことだ。小さな花を豪華な四片の萼が囲んでいる。昨日の帰り道ご近所で、庭の紫陽花が道路まではみ出したのを一気に刈っていた。まだたくさん花がついていて、通りがかりの私達にも「よかったら持っていって」と。一輪いただいて帰りガラスの器に挿した。大きい毬がかたまって咲く割には、その深く濡れた水色といい、咲く時期といい、さびしい印象のあった紫陽花だけれど、こうして一輪と向き合ってしみじみ見ていると可憐でかわいらしい。涙色の紫陽花と見つめ合いながら、少し微笑んでいる作者の顔が見えるような気がするのだった。『花の大歳時記』(1990・角川書店)所載。(今井肖子)




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