鳩山内閣支持率下落続く。日本人は短気すぎると下関で友人とそんな話。(哲




20100518句(前日までの二句を含む)

May 1852010

 夏帽子研修生と書かれたる

                           杉田菜穂

年度の四月一日から一ヵ月が過ぎたこの時期、新しい環境にそろそろ慣れるか、はたまた五月病と呼ばれる暗がりに落ち込んでしまうかは、大きな分かれ道である。見回せば木々の青葉は噴き出すような勢いで茂り、ジャスミンやバラなど香りの強い花が主張し、太陽はストレートに肌を射してくる。過激な自然を味方につけ一層元気になる人もいれば、ストレスを積み重ねている人にとっては圧倒され萎縮してしまう陽気なのかもしれない。研修や実習を経てから、本格的に就業する職場はさまざまだが、どれも特定した分野での必要な知識が磨かれる期間であり、初めての経験は緊張と高揚が繰り返されていることだろう。「研修生」とあることで、多少の失敗も「まぁ、しょうがないか」で済ませてもらえることもあるが、一人前までの道のりは遠くけわしいものだ。掲句は「夏帽子」の効果で、明るさが際立ち、若々しくのびのびとした肢体が描かれた。まばゆい夏の日差しのなかで、初々しい研修生たちの声が明るく響き、生涯のなかでもっともエキサイティングな一時期が過ぎてゆく。〈好き嫌い好き嫌い好き葡萄食ぶ〉〈クリスマスツリーの電気消す係〉『夏帽子』(2010)所収。(土肥あき子)




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