安値は結構だが背景には必ず人員削減が。「人より企業が大事」の時代。(哲




20100417句(前日までの二句を含む)

April 1742010

 からすゐてなんのふしぎぞ烏の巣

                           西野文代

がうるさくて眠れなかったと花魁がぼやいた、という江戸時代の文献があるとか。昔は神の使いだった烏もその頃から、身近な存在である反面やっかいなカラス、となってしまったのだろうか。都会のカラスが、枝のかわりに針金など光るものを選んで巣を作ると聞いてはいたが、昨年、色とりどりのハンガーらしきものでできた巣を目の当たりにして、あらためてそのたくましさと賢さに驚いた。確かにカラスといえば、ゴミ集積所で餌を漁っているとか、枯れ枝にとまっているとか、勝手に決めているふしがあり、巣におさまっている、というのはなんとなく不似合いな気がしてしまう。掲出句の作者にも同様の心持ちがあると同時に、カラスに対する視線は優しい。そしてそのおおらかな詠みぶりに、都心にしては大きい森で鳴き交わしていた、春の鳥らしいカラスを思い出した。これからの季節、少し神経質になったカラスが多少恐くてもうるさくても、ご近所に住む者同士、と思うことにしようか。『それはもう』(2002)所収。(今井肖子)




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