再来年から初夏と初秋の連休を全国5ブロックに分割して取る法案浮上。(哲




20100410句(前日までの二句を含む)

April 1042010

 ここ此処と振る手儚し飛花落花

                           池田澄子

花から満開まで何度か花を見に出かけたが、ほとんどダウンジャケット着用。夜、月を仰ぎながら、ぼーっと飛花落花の中に立つ、ということもないまま花は葉に、となりそうだ。咲いてから冷えこむと確かに花の時期は長いけれど、枝の先の先までぷっくりまるく咲ききって、そこに満ちあふれた散る力が、光と風に一気に解き放たれるあの感じはやや乏しい気がする。それでも、花の下で幾度か待ち合わせをした。目当ての花筵を探したり、来る人を待ったり。遠くから視線が合うと皆手を振る。掲出句で手を振っているのは、作者を待っていた人か。花びらの舞う中でひらひら動くその手に、ふと儚さを感じたのだろう。空へ地へ散り続く花の中にあると、確かな意志を持って明るく振られている手がそんな風に見える瞬間が、きっとある。『俳句』(2010年4月号)所載。(今井肖子)




『旅』や『風』などのキーワードからも検索できます