フランス語ラジオ講座も春休み。いまが復習のチャンスなり。(哲




20100327句(前日までの二句を含む)

March 2732010

 すみれ踏みしなやかに行く牛の足

                           秋元不死男

みれに可憐なイメージがあるのは、ちょっとうつむき加減の咲き具合と、その名前の音のせいだと思っていたら、由来は「墨入れ」と聞いて、へえそうなのかと。ともかく生命力が強いことは間違いなく、我が家の門の前に始まって、駅までの歩道の割れ目にいくつも咲いている。「日本は世界有数のスミレ大国」と、この句の載っている『季寄せ 草木花』(1981・朝日新聞社)にある。スミレ大国とはのどかな響き、この句のように、れんげも咲きすみれも咲きいろいろ混ざり合った草の匂いがする春田が思われる。牛の歩みはゆっくりと、春泥を沈めながら続いており、踏まれてもまたそこに咲くであろうすみれも、しなやかである。(今井肖子)




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