地方選、民主に逆風。旧自民のツケがこんな形で回ってこようとはね。(哲




20100223句(前日までの二句を含む)

February 2322010

 仕事仕事梅に咲かれてしまひけり

                           加藤かな文

分だ八分だと大騒ぎの態の桜と違い、梅はいたって静かにほころびる。掲句は通勤途中のものか、あるいはもっと身近な庭の一本かもしれず、それほど梅はふっと咲くものだ。そろそろ冬のコートを脱ごうかと見回した視線でみつけたものか、ともかく「咲かれてしまった…」とつぶやく胸のうちは、自覚していた時間との落差が突如現れたような途方に暮れた感がある。まだ本年という年号にも馴染まぬうちに、もうすっかり春になろうとしているのだ。作者は四十代の男性。世にいう働き盛りの毎日は、小さな時間のブロックを乗り越えていくうちに、またたく間に月日が過ぎてしまうものである。そして、その無念さはどの花でもなく梅でこそ、ぽつんと取り残された心地が表現できたのだと思う。ちなみに都内では「せたがや梅まつり」は2/28、「湯島天神梅まつり」は3/8まで。清らかな梅の香りを楽しむ時間は、もう少し残されている。『家』(2009)所収。(土肥あき子)




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