冬季五輪開幕。メダル争いなんて、とんと興味はないけれど。(哲




20100213句(前日までの二句を含む)

February 1322010

 凍解の土いとほしく納骨す

                           山田弘子

の一月父の納骨の際、墓の石蓋をあけて、祖母と祖父の骨壺が土の上に置かれているのを見てちょっと驚いた。何が根拠なのかはわからないが勝手に、中も石でできているような気がしていたからだ。十数年、日のあたることのなかった墓石の下の土は、三つ目の骨壺をやわらかく包んでまた眠りについた。作者がご主人を亡くされたのは、2001年の冬とうかがっている。やはり納骨の時、黒々と湿った土を目の当たりにされたのだろう。それを凍解の土、と詠まれたところに、妻としての心持ちと俳人としての目の確かさとが織りなす詩情がある。いとほしく、の一語が、少しの涙とともに土の上にほろほろとこぼれ、永遠の眠りについた魂をつつんだことだろう。花につつまれた祭壇の遺影は、呆然としている私達に、いつも通り明るく微笑んでおられた。「肖子ちゃんの句いいわよ、これからはあなた達が頑張って」。俳句を始めてからいろいろへこむことも多い私は、お目にかかるたびに励まされた、お世話になってばかり。頑張ろう、とあらためて心に誓いつつ、合掌。「彩 円虹例句集」(2008)所載。(今井肖子)




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