小沢胡主席会談。じりじりと米離れ中国シフトへ。巨大市場は魅力だ。(哲




20091212句(前日までの二句を含む)

December 12122009

 耳剥ぎに来る風のあり虎落笛

                           加古宗也

これを書いている間もずっと、ヒューという音がし続けている。現在仮住まい中のマンションの五階、南に向いた振り分けの部屋のうち東側の六畳間、他の部屋ではこの音はしない。いろいろ試してみた。サッシを少し開けると、太めに音色が変わり、思いきり開けると音は止む。玄関を始め、家のどこかを開けるとこれまた音は止む。いくらそ〜っとサッシを閉めても、風はうっかり見逃すということはなく、この部屋のサッシのわずかな隙間に気づいて、もの悲しげな音をたて続けるのだ。昼は別の部屋の窓を少し開けておけば音はしないが、寒くなってきたので夜はそうはいかない。目を閉じて聞いていると、虎落笛(もがりぶえ)のようでもある、やや単調だけれど。それにしても、掲出句の、剥(は)ぐ、は強烈だ。「虎」の字とも呼び合って、まさに真冬の烈風を思わせる。それこそ窓をうっかり開けたら、突然恐ろしいものが飛び込んできそうだが、吹き荒れる木枯を聞き恐いものを想像しながら、ぬくぬくと布団をかぶっているのは、これまたちょっと幸せでもある。原句の「剥」は正字。「俳句歳時記 第四版 冬」(2007・角川学芸出版)所載。(今井肖子)




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