October 22 2009
棒切れで打つ三塁打柿熟るる
ふけとしこ
小さい頃は近所の友だちとよく野球のまねごとをした。まずは男の子に混じって、庭先や路地の奥でささくれのないすべすべの木切れを探す。なかなか好条件の棒切れに出合えず折れ釘で手を引っ掻いたり、指に棘が立つのはしょっちゅうだった。小遣いで買ったゴムボールはあたればあっというまに塀を越してホームラン。そのたびごとにチャイムをならしてボールを探させてもらった。打つ順番はなかなかこなくって外野でぼんやり眺めているとたちまちにボールは後ろに飛び去っていく。走者にボールを当てればアウトとか、あの木まで飛べば三塁打とか、そのときの人数や場所のサイズに合わせてルールを決めていたっけ。たわわに熟れる柿と三角ベース、そんな光景もセピア色の思い出になってしまったが、さて今の子供たちはこの気持ちのよい季節にどんな遊びを記憶に残すのだろう。『インコに肩を』(2009)所収。(三宅やよい)
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