「老人の日」(老人福祉法第五条)。偽善的な「敬老の日」よりマシだ。(哲




20090915句(前日までの二句を含む)

September 1592009

 案外と野分の空を鳥飛べり

                           加藤かな文

五の「案外と」に目を見張った。そう。どんなに激しい風のなかでも、そのあたりに身をひそめればよいようなものを、思いのほか平気で鳥は飛んでいる。どちらかというと、強風になぶられることを楽しんでいるようにさえ見える。上野の森で、羽の目指す方向とはまるきり別の方角へ流されているカラスを、飽きずに眺めていたことがある。カラスは鳴きながら飛んでいたが、なんとなくそれは「助けて〜」より、「見て見て〜」という気楽さがあった。掲句の「案外と」の発見で、鳥たちも家路を急いでいるのでは…、などという人間的な常識を離れ、わりと楽しんでいるのでは、という屈託ない見方ができたのではないか。翼を持つものだけの、秘密の楽しみは、まだまだほかにもあるように思う。〈わが影は人のかたちよ水澄んで〉〈とまりたきもの見つからず赤とんぼ〉『家』(2009)所収。(土肥あき子)




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