八月尽。自民党公明党も尽々。(哲




20090831句(前日までの二句を含む)

August 3182009

 ひらがなの国に帰りて夕芒

                           佐藤清美

集でこの句の前に置かれた「西安のビールは甘きひつじみず」などから推して、中国旅行から戻ったときの句だと思われる。私のささやかな海外旅行体験からすると、どこの国に出かけても言葉には難渋するが、いままでいちばんストレスを覚えたのは中国と韓国でだった。理由は単純。お互いなんとなく顔が似ているせいで、つい楽にコミュニケーションができそうに錯覚してしまうからである。ましてや中国は漢字の国だ。街の看板やイルミネーションなどでも、おおかた察しのつくものが多い。だから余計にコミュニケートしやすいと思いがちになる。ところが、どっこい。他の外国でと同じように、なかなか意思疎通ができないので、イライラばかりが募ってしまう。三十数年昔にギリシャに行ったことがあって、街のサインなど一文字も読めなくて苦労したけれど、しかしさほどストレスは覚えなかった。はじめから周囲の人々がまったくの異人種なので、言葉が通じなくても当たり前と早々に覚悟が決まってしまうからだろう。作者も漢字の国を旅行中に、おそらく相当のストレスを感じ続けていたのではあるまいか。そのストレスが「ひらがなの国」に戻ってほどけた安堵の心が、よくにじみ出ている。風にそよぐ「夕芒」のたおやかな風姿は、まさに「ひらがな」そのものなのである。『月磨きの少年』(2009)所収。(清水哲男)




『旅』や『風』などのキーワードからも検索できます