August 21 2009
鰯雲「馬鹿」も畑の餉に居たり
飯田龍太
今でいう知的障害の人を地域がごく自然なあり方で支え共に生きていく。長い間、田舎で暮らした僕には思い当たる風景はいくつもある。畑の餉は昼餉のことだろう。老いも若きも赤ん坊も誰も彼もみんな大地の上で昼餉をとっている。ここにも飯田龍太という俳人のあるがままの肯定すなわち無名の肯定が生きている。馬鹿という言葉はすぐ喩えにとぶ。そうならぬように作者はかぎ括弧でくくった。言葉のイメージが広がって独り歩きせぬように意味を閉じ込めたのだ。『百戸の谿』(1954)所収。(今井 聖)
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