裁判員制度スタート。守秘義務はあれど、人の口に戸は立てられない。(哲




20090521句(前日までの二句を含む)

May 2152009

 愛鳥の週に最たる駝鳥立つ

                           百合山羽公

鳥週間の休日、御岳山の茶店の餌台に向日葵の種をつつきに来た山雀を見かけた。オレンジ色の胸が可愛い。バードウィークと言えば山雀や四十雀のように可憐な野鳥を思い浮かべるが、その視線をすっとはずして、飛べない駝鳥を登場させたところがこの句の眼目だろう。駝鳥は大きい。駝鳥の卵も大きい。肉の味が牛肉に似ているとかで駝鳥を飼育する牧場も生まれたようだけど、お尻をふりふり駆けてゆくあのユーモラスな姿を思い浮かべると食べるのはちょっとかわいそうな気がする。熱帯の土地でこの鳥がどんな生活を営んでいるのかよく知らないが、厳しい日差しと他の動物から卵を守るのに、オス、メス交代でじっと座って卵を暖めるらしい。大きくてやさしい駝鳥が鳥の最たるものとして立ち、うるんだ瞳で人間たちを見返している。『百合山羽公集』(1977)所収。(三宅やよい)




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