フランス語のキーボード配列には戸惑う。よく「a」と「q」を打ち間違える。(哲




20090424句(前日までの二句を含む)

April 2442009

 立ち上がるまつ青な草蛇脱げり

                           秋本敦子

実の風景や事物から得られる瑞瑞しい実感と、そこから発する動的なエネルギーが表現に満ちている。蛇の脱皮の営みを包み込む草原の息吹が感じられる。草を動的に捉えて「立ち上がる」というところ。草に対して敢えて「まつ青」と形容するところ。季題である蛇の衣や蛇皮を脱ぐとは違う「蛇脱げり」と舌足らずのようにいうところ。すんなりと書かれているように見える表現のひとつひとつに強烈な作者の個性と工夫が生かされている。過去の文体やら「俳諧味」やらにちょっと自己流をトッピングして俳句巧者を気取る俳人も多い。そういう俳人に限って「だいたい典拠のない表現なんか成り立つのかね」とうそぶく。この句のように、まっさらな自分だけのものへの希求無くしてどこに文学の志があろうか。『幻氷』(2002)所収。(今井 聖)




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