定額給付金、我が三鷹市では四月下旬にばらまかれるそうな。むろん、もらいます。(哲




20090306句(前日までの二句を含む)

March 0632009

 切株があり愚直の斧があり

                           佐藤鬼房

ちのくの土着の想念を背負って屹立する俳人である。「愚直」は愚かなほどまっすぐなこと。愚直が自己投影だとすると「愚」は自己否定だけれど、「直」は肯定。「愚直な私」と書いたら、半分は自分を褒めていることになる。作品で自己肯定をみせられるほど嫌味なことはない。自己否定するのなら、「愚かでずるい私」くらいは踏み込んで言ってもらいたい。だからこの句の愚直を僕は自己投影とはとらない。これは斧のことであり他者のことである。斧が深くまっすぐに切株に刺さっている風景に託して、ただ黙々と木を伐り、田を耕すしかない他者について言っている。こういう「愚直」を作者は認め自らもそうありたいと願っているのである。『名もなき日夜』(1951)所収。(今井 聖)




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