明けましておめでとうございます。今年の目標=来年の今日まで生きること。(哲




20090101句(前日までの二句を含む)

January 0112009

 賀状完配われ日輪に相対す

                           磯貝碧蹄館

けましておめでとうございます。家族そろってのお祝いが済んだあと、そろそろ年賀状が来ているかな、とポストを覗きに行く方も多いだろう。私が小さい頃、年賀状の束を取ってきて名前順に仕分けするのは子供の仕事だった。うちは総勢八人の大所帯だったので、兄と二人でせっせとより分けたものだった。小学校の頃は友達からくる年賀状の枚数が気がかりで、最初に自分の名前を見つけたときにはほっとした。今まではもらう側からばかり考えていたが、これは長年郵便配達を勤めた作者ならではの句。年賀状を待つ人々の元へ少しでも早く正確に届けようと、あふれんばかりの賀状を自転車に積んで暗いうちから働きだすのだろう。すっかり配り終えた充実感と仕事への誇りが「日輪に相対す(あいたいす)」という表現に感じられる。「賀状完配井戸から生きた水を呑む」の句も隣にある。今朝もそうやって働いてくれる人たちがいるからこそ賀状を手に取ることができる。今年一年、こんなふうに働く喜びを味わえる年でありますように。『磯貝碧蹄館集』(1981)所収。(三宅やよい)




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