昨日で販売終了の年末ジャンボ宝くじ。珍しく朝から行列ができていた。(哲




20081220句(前日までの二句を含む)

December 20122008

 駅の鏡明るし冬の旅うつす

                           桂 信子

の鏡にうつっているのは、一面の雪景色なのだろうか。いずれにしてもよく晴れている。そんな風景を背にして、着ぶくれて、頬がちょっと赤くて、白い息を吐きながらも、どこかわくわくしている旅人の顔。非日常の風景の中の自分を、現実の自分が見つめている。冬の旅という言葉を、ありきたりな旅情と結びつけるのではなく、冬の旅うつす、としたことがひとつの発見。出典から見て、昭和三十年より前に作られた句である。こんなさりげない句にも、この作者の自由な詩心が感じられる。さほど大きくはないこの駅で降り立った作者は、ずっと握りしめていた旅の証である切符を駅員に渡して、見知らぬ街へ歩き出したことだろう。なんだか懐かしい、小さくて少し硬めの切符だ。〈それぞれの切符の数字冬銀河〉(坂石佳音)切符に刻まれた数字の数だけ旅人がいて、それぞれの夜空を仰ぐ。『図説俳句大歳時記 冬』(1965・角川書店)所載。(今井肖子)




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