中山国交相引責辞任。自説を貫くのは勝手だが、こんなKY男に政治は無理だ。(哲




20080929句(前日までの二句を含む)

September 2992008

 ふるさとは風に逆らふ稲穂かな

                           八木忠栄

者は新潟の出身だ。言わずと知れた米所、一大穀倉地帯である。同じ田園といっても、山口県の寒村のちまちましたそれしか知らなかった私は、新潟の列車の窓から見た行けども尽きぬ田園風景には圧倒された覚えがある。句では、その田園が実りの秋を迎えている。ちょうど今ごろだ。初夏には青田風にそよいでいた稲たちも、いまやずっしりとした稲穂をつけており、少々の風にはびくともしないほどに生長している。そんな「ふるさと」の光景に、これぞ我が風土と、作者は頼もしげに共感している。そしてこのとき「風になびかぬ」ではなくあえて「逆らふ」と詠んだのは、作者がこの土地の歴史を意識しているからだ。有名な戊辰戦争において、決して時の権力に迎合しなかった先祖たちの反骨の気構えを誇りに思っての詠みである。読者としては、その後の「米百俵」の故事も想起され、さらには作者その人の生き方にも思いが及んでゆく。スケールの大きい佳句と言えよう。『身体論』(2008)所収。(清水哲男)




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