金正日総書記に脳卒中の可能性という報道。彼は私より四歳も若い。(哲




20080911句(前日までの二句を含む)

September 1192008

 天高しみんなが呼んで人違ひ

                           内田美紗

方になると雷鳴とともに大雨が降りだす油断のならない空模様が続いていた東京もようやくからりと乾いた青空が広がり始めた。そんなふうに空気が澄みわたって見晴らしのいいある日、駅の集合場所でなかなかやってこない一人を待ちわびている。「あっちからくるはずよ。」みなで同じ方向を眺めていると、遠くからやって来る人影が。背格好といい身なりといい、あの人に違いない。おのおのが手を振り、名前を連呼する。手を挙げて合図しているのに、近付いてくる人はつれなくも知らん顔。「こっちに気づいていないのよ。」確信を持った意見になおもみな声を張りあげ、大きく手を振る。やって来る人の顔がはっきり見える距離になって、人違いだったとわかる。ああ、恥ずかしい。それでもみんなと一緒だから、バツの悪さも救われる。(間違えられた人のほうがどんな顔ですれ違っていいんだか当惑気味かもしれないが)これが一人だったらどれだけカッコ悪いことか。でも大きな声を出して人違いしたのも行楽に浮き立つ気持ちと仲間がいたからこそ。これがどんより曇った天気で、一人だったら顔を合わすまでおとなしくしていたでしょうね。『魚眼石』(2004)所収。(三宅やよい)




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