星野ジャパン惨敗。はじめからアマチュア編成で臨んだほうがよかったかも。(哲




20080823句(前日までの二句を含む)

August 2382008

 別れとは手を挙げること鰯雲

                           原田青児

年の八月七日早朝、立秋の空にほんのひとかたまりの鰯雲を見た。朝焼けの秋立つ色に染まる鰯雲をしばらく見ていたのが午前五時過ぎ、小一時間の朝の一仕事を終えて再び見た時には消えていた。それから半月後の旅先。一面の稲田を青い稜線が取り囲む広い空に、すじ雲が走り、夏雲が残り、鰯雲が広がっていた。帰京してこの句を読み、その見飽きることのなかった空が思い出される。別れ際というと、会釈する、手を振る、握手する、見つめ合う、抱き合う等々、その時の心情や状況によってさまざまだろう。そんな中、手を挙げる、から連想されるのは、高々と挙げた手を思いきり左右に振って、全身で別れを惜しむ人の、だんだん遠ざかる姿だ。その手の先に広がる鰯雲の大きな景が、別れを爽やかなものに昇華させているのか、より深い惜別の思いとなってしみるのか、読み手に託されているようでもある。『日はまた昇る』(1999)所収。(今井肖子)




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