小3から英語必修の動き。国語力なき英語使いなど可能なのだろうか。(哲




20080525句(前日までの二句を含む)

May 2552008

 朝顔やすこしの間にて美しき

                           椎本才麿

顔は秋の季語ですが、気分的には夏に咲く花という感じがします。思えばこの花はいつも、生活にごく近いところで咲いていました。子供の頃は、ほとんどの家がそうであったように、我が家もとても質素な生活をしていました。それでも小さな家と、小さな庭を持ち、庭には毎年夏になると、朝顔の蔓(つる)が背を伸ばしていたのでした。子供の目にも、朝に咲いている花は、その日一日の始まりのしるしのような気がしたものです。考えてみれば、「朝」という、できたての時の一部を名前にあてがわれているなんて、なんと贅沢なことかと思います。この句では、「朝」と、「すこしの間(ま)」が、時の流れの中できれいにつながっています。「朝顔の花一時(ひととき)」と、物事の衰えやすいことのたとえにも使われているように、句の発想自体はめずらしいものではありません。それでもこの句がすぐれていると感じるのは、「すこしの間」というものの言い方の素直さのためです。たしかに、少しの間だから儚(はかな)いのだし、儚さにはたいてい美しさが、伴うのです。『俳句の世界』(1995・講談社)所載。(松下育男)




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