年賀葉書当選番号決定。当ってても気づかない人の賞品はどうするのかしらん。(哲




20080128句(前日までの二句を含む)

January 2812008

 今宵炉に桜生木も火となりぬ

                           吉田汀史

者に聞いたわけではないが、この句は謡曲「鉢木(はちのき)」を踏まえていると思う。私くらいの年代から上の人なら、誰もが知っている有名な伝説だ。「鉢木」とは盆栽である。ある大雪の夜、旅僧に身をやつした北条時頼が、上野国佐野で佐野源左衛門常世のもとに宿を求めた。貧乏な常世は何ももてなすものがないので、大事にしていた盆栽の梅・桜・松を惜しげもなく焚いて暖をとらせた。後に鎌倉からの召集に真っ先に駆けつけたとき(これが「いざ鎌倉」の語源)に、時頼から一夜のもてなしへの返礼として、梅・桜・松の名を持つ三つの土地を賜った、という話である。句の作者は、本当に桜の生木を燃やしたのだろう。そのときに、ふとこの話を思い出し、まさに「いざ鎌倉」的なたぎるものを身内に感じたのに違いない。生木は燃えにくい。が、いったん燃え出すと火勢が強く、その火照りは枯れ木の比ではない。だから「火となりぬ」というわけだが、故なくか故あってか、燃える生木の火照りさながらに、かっと身内に熱いものがたぎってくる感じが良く出ている。「合本俳句歳時記」(1987・角川書店)所載。(清水哲男)




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