古紙配合率偽装問題。配合率が低いほど安い。環境に優しい紙は高くつくのだ。(哲




20080119句(前日までの二句を含む)

January 1912008

 ヴァンゴッホ冷たき耳を截りにけり

                           相生垣瓜人

ッホが自らの耳を傷つけたのは1888年、クリスマスもほど近い12月23日。太陽をもとめて移り住んだ南仏の町アルルで、当時同居し、制作活動を共にしていたゴーギャンとの激しい諍いの果てであったという。春の水に映る跳ね橋、星月夜のカフェ、真夏の太陽そのものの輝きを放つひまわり。ゴッホは、アルルに滞在した四百日余りで、油絵、素描合わせて三百枚以上を描いたといわれている。掲句、実際は耳たぶの先をきり落としたのだというから、切る、ではなく、裁つ、きり離す、の意のある、截る、なのだろう。比較的いつもひんやりしている耳たぶだが、寒さがつのる冬には、ことさらその冷たさが際だつ。作者は、そんな感覚を失ってちぎれそうな自分の耳たぶに触れ、ふとゴッホに思いをはせたのだろうか。右手にカミソリを持ったゴッホが、左手で思わず掴んだ自らの耳たぶ。それは、やわらかくたよりなく、まるで自分自身の弱さの象徴のように思えたのかもしれない。冷たし、にある悲しみは、熱い血となって、その傷口から流れ出たことだろう。この後、ゴーギャンはタヒチに移り住み、ゴッホは1890年、三十七年の生涯を自らの手で閉じたのだった。『新日本大歳時記』(1999・講談社)所載。(今井肖子)




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