久間防衛大臣辞任。「しょうがない」発言で辞めたのも「しょうがない」よなあ。(哲




20070704句(前日までの二句を含む)

July 0472007

 一生の幾百モ枕幾盗汗

                           高橋睦郎

みは「いっしょうの/いくももまくら/いくねあせ」。私たちは一生かかって、どれだけあまたたび(幾百・幾千回)枕のお世話になるのだろうか。どれだけ幾たびかの盗汗をかくのだろうか。盗汗ばかりでなく、熱い汗や冷汗もどれだけ流すことになるのか。――多い人、少ない人の違いはあれども、それが人の一生。私たちは日頃、あまりそんなことを改まって考えることはないけれど、日本語にはさすがに「枕」を冠した言葉がおびただしい数ある。枕詞、枕木、枕絵、北枕、枕経、箱枕、膝枕、枕時計、枕元、枕頭、夢枕・・・・。枕は私たちの喜怒哀楽をさまざまに彩ってくれる。この枕に着目した睦郎の新連載「百枕」が「俳句研究」7月号から始まった。興味をそそられる連載の冒頭は「私たちが毎日用いる道具でありながら、その名の語源のもう一つ明解でないものの一つに、枕がある」と書き出されている。おっしゃるとおりである。その語源については、マクラ(間座)、アタマクラ(頭座)、マクラ(目座)、マク(枕)、マク(巻)、マキクラ(纏座)、マクラ(真座)等々の語義(『日本国語大辞典』)もそこで紹介されている。「枕」そのものは季語ではないけれど、「籠枕」や「枕蚊帳(蚊帳)」となれば夏の季語となる。睦郎は連載第一回を「籠枕」と題し、「籠枕百モの枕の手はじめに」と冒頭で挨拶し、「ふるさとは納戸の闇の籠枕」など10句を試みている。「俳句研究」(2007年7月号)所載。(八木忠栄)




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