米の原爆投下「しょうがない」、ソ連参戦防ぐためと久間防衛相。君は人非人だ。(哲




20070701句(前日までの二句を含む)

July 0172007

 扇風機大き翼をやすめたり

                           山口誓子

はどの家にもあった扇風機の姿を、最近はそれほどには見かけなくなりました。エアコンの便利さは理解するものの、目の前で必死に風を送り続ける扇風機の姿には、それなりに愛着を抱きます。風の向きを変えるためにひたすら首を振り続ける様子も、どこかかわいらしく、生き物に喩えられるのも分かるような気がします。掲句の扇風機は、そういった畳の上に置かれる式のものではなく、天井からぶら下がっている天井扇と呼ばれるもののようです。鳥が翼を休めているようだと言っています。優雅な姿を連想させるものとして喩えられています。上空から滑空してきて、静かに地上に降り、羽を休めている様子がはっきりと想像されます。「大き」という形容が、鳥にも扇風機にもぴたりと当てはまっています。まさに大きな「空」が、句を包みこんでいるようです。涼しさを送り続けたのちにスイッチを切られ、やっと羽をのびのびと休ませてほっとしている様子が、たしかに命ある物のように感じられます。言われてみればなるほどという比喩です。風を送り届ける機械にまで及んでいる作者の優しさが、句にも生命を与えています。『作句歳時記 夏』(1989・講談社)所載。(松下育男)




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