リニア中央新幹線2025年に開業と。私のトシになると、ま、やってくださいなと。(哲




20070427句(前日までの二句を含む)

April 2742007

 春水や子を抛る真似しては止め

                           高浜虚子

の川べりを子供と歩き、抱き上げて抛る真似をする。「ほらあ、落ちるぞ」子供は喜んではしゃぎ声をあげる。ああ、こんなに子煩悩な優しい虚子がいたんだ。普通のお父さん虚子を見るとほっとする。「初空や大悪人虚子の頭上に」「大悪人」と虚子自身も言ってるけど、俳句の天才虚子には、実業家にして政治屋、策士で功利的な側面がいつも見えている。熱狂的追っかけファンの杉田久女に対する仕打ちや、「ホトトギス」第一回同人である原田浜人破門の経緯。そして破門にした同人に後年復帰を許したりする懐の広さというか老獪さというか。そんな例を数え上げたらきりがない。とにかく煮ても焼いても食えない曲者なのだ。虚子は明治七年生まれ。同じ明治でも中村草田男の啓蒙者傾向や加藤楸邨のがちがちの求心的傾向、日野草城なんかのモダンボーイ新しがりと比べると、幅の広さが全然違う。上から見るのではなく、「俗」としっかりと四つに組む。ところでこの句、抛る真似をするのは、他人の子だったら出来ないだろうから自分の子、とすると虚子の二男六女、八人のうちの誰だろう。子の方はこんなシーン覚えているのかな。『五百五十句』(1943)所収。(今井 聖)




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