世界へ宇宙へ即席めん。日清食品創業者の安藤百福会長死去。早速追悼めんです。(哲




20070107句(前日までの二句を含む)

January 0712007

 人日の雨青年をおびやかす

                           原 裕

も日も、どちらも深く、かけがえのない意味をもつ語ですが、それを組み合わせた言葉があるとは知りませんでした。「人日」とは、「ひとひ」ではなく「じんじつ」と読みます。不思議な響きをもった単語です。「1月7日」を意味します。手元の歳時記によりますと、「中国漢代に、6日までは獣畜を占い、7日に人を占ったことからの名」とあります。獣畜を先に置き、人をその後に置く順番には、やさしい手つきが感じられます。人を特別な存在と見ずに、生きとし生けるもののうちにふくめるという気配りを感じます。歳時記には、「この日は、人に対する刑罰を避けた」ともありました。「人」がことさらに「人」であることを意識する日なのかもしれません。その喜びと悲しみが同時に、人を襲ってくるのです。1月7日という歳の若い雨は、冷たく青年をぬらします。人の日に、青年は何におびえているのでしょうか。「人」であることの根源に向かった恐れなのでしょうか。さて、年が変わってもう7日が過ぎました。明後日からは通常の仕事に戻る方も多いことでしょう。「人の日」とは、正月気分から普通の自分に戻るための日なのかもしれません。温かなおかゆでも食べて、しゃきっとして、明日からの長い「人の日々」に備えましょう。『合本俳句歳時記 第三版』(2004・角川書店)所載。(松下育男)




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