September 06 2005
選挙近し新米古米まぜて炊く
大元祐子
季語は「新米」で秋。出回るには今年はまだ少し早いが、むろん掲句のような年もあるわけだ。「選挙」は国民の米櫃に関わる大事だから、「米」との取り合わせにはごく自然な感じを受ける。家計をあずかる主婦として、せっかくの「新米」なのでそれだけで炊きたいところを、残っている「古米」と「まぜて炊く」。少々水加減が難しそうだが(笑)、やりくりとはこういうことだ。一度や二度の「ぜいたく」くらいと思っていると,だんだんと家計のあちこちに赤字の穴が開いてしまう。それでなくとも増税のつづく世の中、ただ単に生きて呼吸しているだけで、年々の出費はかさばる一方である。今度の選挙では、果たしてどんな結果が出るのだろうか。主婦は主婦の立場から、理想的とまでは言わないまでも,それに近い政策を実行してくれる勢力の伸長を願いつつの炊事である。主婦は主婦の立場からといえば、私は高齢者の立場から、今度の選挙を見ている。見ざるを得ない。年金問題をはじめ、医療費やらその他の老人福祉問題を含めて、おおかたの党派は偽善的で冷淡だ。若い候補者などは、いつか自分も高齢者になることなど、まったく念頭にないかのようだ。高齢者であろうと、搾り取れる金は搾り取る。こんな考えが政治家に横行するようでは、早晩この国も衰退してしまうだろう。生きてて良かった。誰もが、素朴にそう思える社会になってほしい。『人と生れて』(2005)所収。(清水哲男)
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