高中正義「伊豆甘夏納豆売り」に「かなかな」が出てきます。なかなか面白い曲ですよ。




20050818句(前日までの二句を含む)

August 1882005

 八月や後戻りして止まる電車

                           吉田香津代

のJR福知山線の大事故以来,電車の停車駅でのオーバーランが俄にクローズアップされてきた。どこの管内ではオーバーランが一日に何度あったか、などと新聞に載る。運転者にすればオーバーランは仕事の失敗であり,それが給与の減額などに反映されるとなれば、失敗を挽回すべく無理をすることになり、結果としてもっと大きな失敗を犯すことにもつながっていく。私も事故はご免だけれど,しかしながら、オーバーランにあまりにも神経質になってカリカリするような世間もご免だ。効率一本槍の余裕の無さは,私たちの内面までをも浸食し、味気ない生活を再生産することに資するだけではないのか。掲句の作者は,カリカリしているだろうか、苛立っているだろうか。私には,逆に思われる。「八月や」の「や」は「八月なのだから、暑い季節なのだし」と、運転者を少しも責めてはいない。もっと言えば運転者にも意識は及んでいなくて、むしろ「電車」そのものを生き物のように捉えている。暑いからつい間違って行き過ぎることだってあるし、行き過ぎたらゆっくり「後戻り」すれば、それでよろしい。なにしろ、いまは八月なんだからね。と、ゆったりと構えて微笑しているのだと思う。掲句に触れて,私は高校時代に乗っていた東京の青梅線を思い出した。ちょっとしたオーバーランなどは、しょっちゅうだった。で、その都度,後戻りだ。後戻りした電車から降りるときに見ると,見事に所定の位置に止まっていた。それを見て,はじめて意識は運転者に向かい,バックしてきちんと止められるなんぞは凄いなと感心したりしてた思い出。『白夜』(2005)所収。(清水哲男)




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