この表情、良いでしょ。昔の同級の女の子を思い出す。日本から消えてしまった表情だ。




20050505句(前日までの二句を含む)

May 0552005

 頭より軽きボールや夏始まる

                           原田 暹

の上では、今日から夏だ。作者の体調、すこぶる良好と読める。天気も快晴だ。バレーボールだろうか。とにかく、野球のボールのように小さいものではない。それを両手で持ったときに、ふっと「頭より軽き」と感じた。普通は頭の重さなど意識することはまずないだろうが、このときの作者は感じたわけだ。これはボールの意外な軽さを言っていると同時に、頭の重さに身体の充実した感覚を象徴させているのだろう。すなわち、気力体力が良好であるがゆえのボールの軽さなのである。同じボールでも、調子の悪いときには重く感じられる。今日は、そんな感じがまったくない。さて、それではサービスエースとまいろうか。夏の始まりの清々しい気持ちが、一読伝わってきて心地よい。このとき、作者二十七歳.さもありなんと、うなずける年齢でもある。ボールと言えば、少年時代に憧れたものの一つだ。何にせよ、手作りの時代だったから、野球のボールにせよバレーボールのそれにせよ、本物のボールに触れる機会はなかなかなかった。バレーボールの本物に触れたのは、中学三年のときの体育の時間だったと思う。そのときは軽さ重さというよりも、見かけからすると意外に固いなと感じたことを良く覚えている。いまだにその触覚が残っているせいで、国際試合などでの猛スピードのやりとりを見ていると、痛っと思ったりしてしまう。「俳句」(1971年7月号)所載。(清水哲男)




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