ダルビッシュ(東北高校)散る。野球は恐いなア。そこがまた醍醐味でもあるのだが…。




20040818句(前日までの二句を含む)

August 1882004

 夏休みも半ばの雨となりにけり

                           安住 敦

供たちの夏休みもいまごろになると、さすがに日に日に秋の気配が感じられるようになる。ましてや雨降りの日は、真夏の陽性な夕立などとは違って、しとしとと秋のうら寂しい雰囲気が寄せてくるようだ。子供にだってそういうことはわかるから、まだ夏休みはつづくのだけれど、「もうすぐ休みも終わるのか」という感傷もわいてくる。かっと照りつけていた日々の連続のなかでは、思いもしなかった神妙な気分になってくるのだ。掲句はむろん大人の句だが、そんな子供時代を回想しているのだろう。この原稿を書いているいまは、雨降りの夕刻だ。まだ五時過ぎだというのに、日没が早くなったこともあって、開け放った窓の外には早くも夕闇がしのびよってきた。時雨のようなかすかな雨音がしている。つい最近までの極暑が嘘のようで、まさに夏の果てまでたどりついたという実感。こういうときに、人は老若を問わず内省的になるものなのだろう。すなわち私たちの情感は、全てとは言わずとも、天候に左右され、天候に培われてきたところは大きい。この句はなんでもない句と言えば言えるが、実際にこうして雨の日に読み触れていると、もはや無縁となった子供時代の夏休みへと心が傾斜してゆく。と同時に、あのころの無為に過ごした日々と現在のそれとがひとりでに重なってくるのである。『新歳時記・夏』(1989・河出文庫)所載。(清水哲男)




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