本日はスペシャル版を発行しました。内容は同一ですが玉音放送が聞けます。ここから。




2004年8月5日の句(前日までの二句を含む)

August 1582004

 堪ふる事いまは暑のみや終戦日

                           及川 貞

争が終わったから平和が訪れたからといって、その日から「堪ふる事」が消滅したわけではない。生き残った者にとっては、戦後こそが苦しかったと言うべきか。平和を謳歌できるような生活基盤などなかったので、多くの人々が忍耐の日々を重ねていった。この句は、戦後も二十年を経てからの作句で、ようよう作者はここまでの心境にたどり着いている。たどり着いてみれば、しかし若さは既に失われ、往時茫々の感もわいてくる。作者の本音を訪ねれば、この暑中、何をまた語るべきの心境であるのかもしれない。『夕焼』(1967)所収。(清水哲男)




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