あまり新聞を読まなくなった。ニュース面はすべて、早めにネットで読んでしまう。




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June 2362004

 母衣蚊帳の上に鳴りだすオルゴール

                           山本洋子

語は「母衣(ほろ)蚊帳」で夏。「蚊帳」に分類。そのものの存在は知っていても、はて何と言う名前のものなのか。知らないで、時々困ることがある。文芸誌の編集者時代に、河野多恵子から電車の車内に立っている金属製の棒、あれを何と呼ぶのかと尋ねられて絶句したことがあった。後でいろいろな人に聞いてみると、どうやら「握り棒」と言うらしいのだが、本当かどうかはいまだに確かめていない。雑誌「俳句」(2004年6月号)の宇多喜代子「古季語と遊ぶ」を読んでいたら、掲句が載っていた。そうだったのかと、思わず膝を打った。我が家にもあって良く知っていたということは、私や弟が使ったことになるわけだ。あの赤ん坊の昼寝のときなどに、身体にかぶせる小さな蚊帳のことを何と言うのか。いまのいままで、私は知らずにいたのである。現代では蚊帳一般が姿を消しているので、知らなくてもどうということはないけれど、気にはなっていた。言われてみれば、たしかにあの蚊帳は「ホロ(幌)」のような形をしている。それで「母衣蚊帳」なのかと、妙に感心してしまったのだった。句意は明瞭で、夏の午後に赤ちゃんが寝ている光景だ。突然、上に吊ってあるオルゴールが鳴りはじめた。作者ははっとして赤ちゃんを見つめたのだが、相変わらずすやすやと眠っている。そんな微笑ましい日常の一齣である。ところでもう一つ、この「オルゴール」も本当は何と言うのかを知らないままにきた。音源はたしかにオルゴールだろうが、いろいろカラフルな飾りも着いていて、メリーゴーラウンドみたいにくるくる回る仕掛けだ。赤ちゃん用だから、なんとなくガラガラのような単純な名前がついていそうな気がする。が、一度もあの名前を具体的に呼んでいるのを聞いたことがない。玩具店で聞けば、わかるだろうか。業界用語でもよいから、知りたいものだ。(清水哲男)




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