1960年の今日、安保反対の全学連主流派が国会に突入。若者のありようも変わった。




2004ソスN6ソスソス15ソスソスソスソス句(前日までの二句を含む)

June 1562004

 俺に眼ン付けたなと蛇の大八が

                           土橋石楠花

語は「蛇の大八」。と言われても、何のことやら……。作者は出雲の人で、表題に「蛇の大八(まむし草)」とあるから、出雲地方では「まむし草」をそう呼んでいるのだろう。どことなく愛敬のある呼び名だ。季語として載せている歳時記は少ないし、載せていても春季に分類している。が、いろいろ調べてみると、花期は五月から六月が平均的なようなので、当歳時記ではあえて夏に分類しておく。「眼ン付けたな」は「ガンつけたな」だ。山道で、思わずも目が合っちゃったのである。咄嗟に、まむしが鎌首をもたげたような形の草の吐きかけそうなセリフではないか。しまったと思っても、もう遅いのだ。そんな一瞬の心のざわめきが、的確に出ている。こうしたざっくばらんな調子を持ち込むのがこの人の持ち味の一つで、いかにも原石鼎門らしい血脈を感じる。こういう句が他にももっと詠まれると楽しいのだが、付け焼き刃では無頼は詠めない。世間にバンと居直る度胸がなければ、男伊達もままならぬ。作者はこの句の載った俳誌「鹿火屋」(2004年6月号)に散文「がんばれ、鹿火屋」を書いていて、言いにくいことをずばりと言っている。「結社誌新人賞作家の俳壇への売り出しもビジネスの一つである。ビジネスといえば文芸誌にとっては禁句と言う人もいるが、結社誌の維持、継続発展は昨今の世情に於ての経営には不可欠の事である。(中略)俳人協会の総会での発表によると会員の平均年齢は七十三歳、二、三年に一歳ずつのびている老人俳壇では、その結社に有望な新人を傘下においているところは、その勢力をのばし誌友数も自然に増えているのが現状である」。ひるがえって我が結社の「新人」たちはどうかと見ていくのが文章の本旨で、八十七歳の作者の直言は心地よい。これまた、気合いの入った男伊達の一文だ。「がんばれ、鹿火屋」と、唱和したくなる。(清水哲男)




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