December 28121999

 ひねもすを御用納めの大焚火

                           今井つる女

いていの職場では、今日で年内の仕事を終了する。といっても、実質的には普段の仕事とは異なり、得意先への挨拶回りや、句のように大掃除をして過ごす職場がほとんどだろう。それも、大半が午前中で終わってしまう。句のように、昔は街のそこここで焚火が見られ、年末気分がいっそう高まったものだが、現在は「どんど焼き」までが目の敵にされる世の中。なかなか「ひねもす」の大焚火など見られなくなった。幸いなことに、我が家の近所にある小さな工場では、委細構わずに派手に焚火をする。何を作っているのかはわからないが、普段でもときどき焚火をしているので、相当な木くずが出るようだ。したがって、例年の仕事納めの日には、とにかく盛大に一日中燃やしつづけるのである。その場を通りかかるのが、いつしか私の年末の楽しみになってしまった。通りかかるだけで、顔がかっと熱くなる。しばらく立ち止まって、燃え盛る炎を見つめるのは快楽と言ってもよい。さて、このページに職場からアクセスしてくださっている皆さまとは、しばらくお別れですね。一年間のご愛読、ありがとうございました。よいお年をお迎えくださいますように。(清水哲男)




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