December 20121999

 親も子も酔へばねる気よ卵酒

                           炭 太祇

つあつを飲むから、汗が出る。したがって、昔から風邪の熱さましとして愛飲されてきた。作者は江戸期の人。アルコール分が少ないので、子供でも飲めるのが卵酒(玉子酒)だ。家族みんなで楽しめる。家の誰かが風邪を引くと、さっそく玉子酒を作り、みんなでお相伴にあずかるというわけだ。風邪引きも、また楽し……かな。とはいえ、やはり酒は酒だ。飲むうちに、いい心持ちになってくる。寝るには早い時間だが、ままよ、眠くなったら寝ちまおうぜと、親子揃っての暢気な気分がまた心地よい。ところで、あなたは玉子酒を作ったことがありますか。講談社から出たばかりの『新日本大歳時記・冬』を見ていたら、林徹氏がレシピ付きの解説を書いていたのでお裾分け。「一合の日本酒に砂糖大さじ三杯を加えて煮立て、酒が沸いてアルコール分が十分蒸発したとき、マッチの火でアルコール分を燃やしきり、これに卵黄をそそいでよく掻き回し、煮詰まらないうちに飲む」のである。お試しください。ただし、パソコンの無料ソフトと同様に、この作り方を実行して、いかなる事態があなたやあなたの家族に起ころうとも、当方は一切責任を負いかねますのでご了承を(笑)。(清水哲男)




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