November 15111997

 花嫁を見上げて七五三の子よ

                           大串 章

五三の子と花嫁が神社で鉢合わせ。着飾った小さな子供たの間でだからこそ、花嫁はひときわ目立つだろう。子供の目にも異質とうつるのだろうか、千歳飴を引きずるようにしてポカンと見とれている姿が可愛らしい。そこをすかさずスナップした作者の目もハンパじゃない。ちなみに、千歳飴は親戚などへの配り物にするのが本来で、子供が自分で舐めるものではありません。ところで、大串君も私も、七五三の頃は戦争の渦中にあった。七五三という行事があることさえ知らなかった。しかし、そんななかでもちゃんと七五三を祝ってもらった友人もいて、写真を見せてもらったら、軍服姿でひどく緊張していた。『朝の舟』(1978)所収。(清水哲男)




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