October 05101997

 それぞれの部屋にこもりて夜長かな

                           片山由美子

の句は有名になり、あちこちの俳書に収録されている。それほどいまの家族の光景を見事にとらえている、といってもいいのだろう。「孤」独な光景というよりも、親も子もそれぞれ部屋にこもって、本を読んだり、音楽を聞いたりしている。それもいいじゃない、という感じなのだ。でも個室がある家とはうらやましい。わが家には私の部屋はないのです。だからいつも遅く帰るのだ。片山さんは1952年生れ。鷹羽狩行門。この人も私の好きな俳人のひとりである。(井川博年)




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