August 1181997

 ナイター観る吾が身もいつか負けがこむ

                           瀧 春一

季の巨人ファンみたいだ(苦笑)。まあ、そんなことはどうでもよろしいが、最近はあまり「ナイター」という和製英語は使わなくなった。誰が発明した言葉なのだろうか。けったいな発想である。しかし、諸種の歳時記が夏の季語として採用しているのだから、発明者にその甲斐はあったというべきだろう。はじめてナイターを観たのは、かれこれ三十年前の後楽園球場。巨人大洋(現・横浜)戦の外野席だった。試合そのものよりも、光の洪水に目を奪われた。当時の新潮社版『俳諧歳時記』から、ナイターの説明を引いておく。これが、なかなか面白い。「夜間行われる野球試合。百万燭光の照明に照らされた球場は、外野の青い芝生としっとりと露気を帯びた内野グランドとの配合が美しく、涼しい夜風に吹かれながら、観客は開襟シャツや浴衣がけの軽装で夜の試合を見て楽しむ。五月から九月末まで行われる。主としてプロ野球であるが、近頃はノンプロでもナイターを行う」。(清水哲男)




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