July 2271997

 鰻の日なりし見知らぬ出前持

                           後藤夜半

つものようにいつもの店から出前をとったら、見知らぬ出前持が届けに来た。思わずいぶかしげな顔をすると、察した相手が「臨時なんですよ。丑の日なもんで」と言った。なんでもない日常の一こまを捉えているだけだが、その底に庶民の粋が感じられる佳い句だ。『底紅』所収。(清水哲男)




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